インポッシブル・シンキング 最新脳科学が教える固定観念を打ち砕く技法
2006年7月23日(Sunday) 02:16am アイディア プログラミング 書評僕の中でこの本が大流行している。脳科学の成果から斬新な発想を体系的に強化するための方法を導いた。
主題であるメンタルモデルの概要やビジネス書としての評価についてはそれぞれ別記事で書いたので、ここではテクノロジー的な観点で検討したい。
『インポッシブル・シンキング 最新脳科学が教える固定観念を打ち砕く技法』
ヨーラム“ジェリー”ウィンド コリン・クルック ロバート・ガンサー 高遠 裕子
固定観念を打ち破り斬新な発想を身につける、というこの本のテーマは、ITに関わる人にとっては必須スキルと言って良い。ハードウェアはものすごいスピードで進歩しているし、相対的に立ち遅れていたソフトウェアも最近になってWebを中心に変化が加速しはじめた。
もはや最大の敵は常識であると言っても良いほどだ。
一方で技術者にありがちな思考様式として、特定の考え方を絶対視するというパターンがある。ほとんど宗教戦争と呼べるようなflameまで数々発生してきた。
この本を読むと、そのような思考の枠や先入観のようなものがメンタルモデルの一種で、これは脳の働き方のクセから来ていることが分かる。
人間は現実を部分的にしか認知しないので、何かを絶対視することには常に現実からかけ離れる危険がつきまとう。特に、進歩の激しいIT領域ではこのようなメンタルモデルのタガが技術者としての寿命を縮めることになりやすい。
たとえばGoogleはPCの進歩を最大限にひき出して新たなメンタルモデルに基づくコンピューティングスタイルを確立したと言えるし、そのおかげで本当に驚異的な成長を続けている。
Googleは極めて影響力の大きな企業なので、これによって陳腐化された領域も広範にわたった。Googleのメンタルモデルはユニークだったので他の企業は対応が遅れ独走を許した。おかげでなんだか食えなくなった人というのも実は結構いるんじゃないか。あるいはこれからかもしれないが。
いま世界的なスケールでこんなに変わり続けている領域は他にはないだろう。Googleだって絶対視することはできないのだ(とはいえ個人的には、既に得たキャッシュの総量や創業者の資質から相対的な優位性はまだ拡大傾向にあると思っている)。
だから技術者こそメンタルモデルを適切に操る能力が生命線と思う。変化の中心から外れるほど、つまらないうえに稼げない作業に追いやられていく。スキルだけの問題ではないのだ。
この本はケーススタディを豊富に集めているが、やはりスピードの速いIT業界のケースがけっこう目につく。リチャード・ストールマンやXP、Wikipedia、インテルなど、プログラマーにはおなじみのキーワードもビジネス書の視点から見るとまた新鮮だ。実はスターバックスもおなじみかもしれない。
2台同時USB充電「モバイルクルーザーツイン」
ロウアーミドルの衝撃
Javaデザインパターンハンドブック
インポッシブル・シンキング 最新脳科学が教える固定観念を打ち砕く技法
ほぼ日刊イトイ新聞の本

2006年8月12日(Saturday) 12:39am
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2006年8月28日(Monday) 12:12am
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