禁酒法と知的財産権 December 30, 2006
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フリーソフトウェアと自由な社会』を読んだら、知財を規整する法律が禁酒法(wikipedia)にしか見えなくなった。

「それならビル=ゲイツはアル=カポネか?」と考えると、「そうなんじゃないか」としか思えなくなった。 日本の歴史教育はゴミなので、禁酒法も知らない人が多いかもしれない。 要するに禁酒法の歴史的教訓は「変に自由を制限すると、社会全体が不利益をこうむる一方で、ごく一部の人がえらく儲かる」ということにある。

今から考えれば、禁酒法はなんで酒を禁止したのか?という素朴な疑問で片付けられてしまいそうなものだが、当事者には状況は見えないものだ。 とにかく酒の販売は禁止されていたので、カポネは密造酒を作ってめちゃくちゃ儲けた。

密造酒は違法なので裏だったが、知的財産権はある種の合法領域を設定しているため表なんだけどめちゃくちゃ儲かる人がいる。 そして20世紀末の世界一の大金持ちと言えばビル=ゲイツだ。Windowsがどういうビジネスかというと、他人がコピーすることを「海賊行為だ」と決めつけて自分だけコピーしてボロ儲けするという構造になっている。 Microsoftの財務諸表は公開されているので誰でも見ることができるが、これは本当にボロい商売としか言いようがない。

一方で、割を食うのは利用者である。 禁酒法では酒が飲めないということだが、知的財産法は最終製品が妙に高くなるという効果をもたらす。 パソコンは90年代末にハードが恐ろしく安くなった結果、価格の大きな部分をWindowsとOfficeが占めているという珍現象が起こっている。

歴史は繰り返す、と言うが見事に繰り返していると思う。 Open Source Initiative会長のマイケル=ティーマンがセミナーで来日したとき、ゲイツ財団の近況を皮肉って「ビル=ゲイツはいま研究者が情報をオープンにしないため難病の研究が進まないことに危機感を持っている」と語っていた。

お前がオープンを語るなというツッコミだが、情報をクローズドに抱えるという考え方は今後の人類の問題を迷宮入りさせる危険性を持っているのは確かだ。 知的財産権一般について言えば、いまさらビル=ゲイツを追及しても仕方がなく、官僚が解決すべき問題だろう。 しかしもう一歩進めて考えれば霞ヶ関の中だけでクローズドに解決することはもはやできないのだと見る視点の方がより重要だ。

さらに利用者の立場から身近な問題として解釈すれば、フリーソフトウェアやコモンズこそ重要という見方を意識すべきときに来ている。

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