よくわかる電池の基本と活用—身近な乾電池から話題の太陽電池・燃料電池まで August 23, 2008
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前々から「さまざまな電池の特性を一通りおさえておきたいものだ」と考えていて、この本を読んで頭が整理された。 電池種別ごとの違いや基本的な原理、取り扱いの注意点などがおさえられていて「ノートパソコンのバッテリはつなぎっ放しでも劣化しないようになっているのか」と納得できた。 『よくわかる電池の基本と活用―身近な乾電池から話題の太陽電池・燃料電池まで』
河村 正行


副題には「太陽電池・燃料電池まで」と書いているが、9割は乾電池・充電池に割いている。 広く普及しているのは乾電池・充電池だから、実用上知りたいことはカバーできている。 電池のことなど不便を感じない程度の知識は誰でも持っている。 しかし、じつは詰めのところでよく分からない点が残っているはずだ。

もともと電池のことを真剣に考えたことがないからということもあるが、同じ原理を使った電池であっても製造方法などが日進月歩で進化してきた結果、過去の常識が通用しなくなっている。たとえば、マンガン乾電池。

マンガン乾電池に赤い電池と黒い電池があるのに気づいているだろうか。赤い電池は高性能マンガン乾電池、黒い電池は超高性能マンガン乾電池 (中略) 高性能マンガン乾電池は1963年に松下電器産業が発売し、従来の約2倍の時間使えるようになった。 (中略) 1969年にさらに性能がアップした超高性能マンガン乾電池が開発された。

ここでは登場の経緯だけを抜粋したが、素材の改良で液漏れしにくくなったことなど具体的なポイントが順を追って解説されているので、素直に読める。

乾電池・充電池にフォーカスしただけあって、オキシライド乾電池やeneloop、EVOLTAといった最新動向も押さえられているのが良い。 eneloopはNASAの宇宙開発技術が転用されたものだという経緯は興味深かった。三洋は充電池分野の先進的イメージが強いが、実はeneloopのキーとなる水素吸蔵合金の技術は買収した東芝電池から来ているという。

この本は業界動向を丁寧におさえているから実用上の発展史として読みやすい(この手の「よくわかる」本は基礎技術の図解に終わるため空論に見えることが多い)。 多少、松下・三洋よりの記述になっているようにも見えるが大体公正と思える範囲だろう。

一点、苦言を呈したいのは全般にわたって誤字が多すぎること。 「オキシドライド」など読み飛ばせば済むレベルのものが多いので意味上の問題は小さいが、発行元の電波新聞社は本当に校正をやっているのかと言いたくなる。気になりだすと「ぬ、ここもか。」と思うので、ちょっと評価を割り引いた。 素人向けにはよくまとまっている本だと思うので、電波新聞社はちゃんと改訂して欲しいところ。

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